大阪府宅建協会で「宅建業が知っておくべきAIの基礎」について講義させていただきました。

2025年12月5日、一般社団法人 大阪府宅地建物取引業協会様の女性部会によるGLセミナーにて株式会社BFPホールディングス、代表取締役 土居 亮規が「AIによる不動産業務の効率化 と AIが生み出す不動産新時代の可能性」について講義をさせていただきましたのでそのご報告レポートをまとめさせていただきます。
▼内容
経営者 兼 不動産投資家である弊社の立場から、AIを業務利用する際に必要な基礎知識と、不動産賃貸業・宅建業の現場で行われている実例などを基に講義いたしました。当日は対面・オンライン合わせて90名の皆さまにご参加いただき、広い関心と最新のテクノロジーについての興味がある方が多いことが分かるご参加人数と雰囲気でした。
「AIを導入することは【目的】ではなく【手段】である」

AIに限らずですが、こういった最新技術というのは「使うことが目的」ではなく、「使うことにより、どのようにして業務改善が図れるのか」が重要です。極端な話、AIを使っても業務量が中長期的に減らない・トラブルが頻発するのは導入することは害悪であります。この視点で言うとお伝えしておきたい要点は大きく分けて3つ。
一つが、シンプルに「業務効率の改善」。物件の査定調査やお問い合わせ、従業員教育や検索補助など、日常的に行っている業務にAIを活用することで時間をどのようにあけるのか?についてお話をさせていただきました。
専門的なAIではなく、まずはオーソドックスな機能を持つChatGPTとGeminiを比較し、そのうえで強み・弱みと「AIを会社に最適化する」方法をお伝えし、具体例とともにお伝えしました。こうしたAIの活用により時間的リソースはもとより、キャッチコピーやセールストークなど「自分の脳の容量を空けつつ、自分にはない発想を出力させることができる」というのが、AI活用の強みであります。
二つ目が、「とりあえずやってみる」という視点。
当たり前ですが、新しいことを始めようとしたその瞬間は制度設計や試行錯誤などにより、普段AIを使わずに行っている業務以上にリソースがとられます。今までのやり方に慣れているので当然の話ですね。
ですが、ここで「時間」と「お金」を投資できるのか?が、本来あるべき企業の研究開発であると弊社は考えます。弊社のメイン業務「財務」視点での「経営」「運用」というと何かとお金周りの改善を行うイメージがついて回る業態かもしれませんが、当方ではこれまでの自社・コンサルティングを問わずの活動では「お金と同時に、時間も有限であり投下を考えなければならない資産的リソースである」と考えております。
例えば、不動産を購入する場合。賃貸業や仕入れなどの視点では、その瞬間はAIの導入や投資と同じく「現預金を消費」するとともに、それを取得するための労力、「時間的コストも消費」します。ですが仕入れ、そこに「投資」をした結果、中長期的に家賃や再販・仲介手数料などでどのような「利益」として投資したお金と時間を回収するのか。これは、経営上変わらない視点であるとという方は考えており、そういった形で思考をつなげていただければ幸いです。
そして三つ目。これが重要なのですがAIを活用して空いた時間で、「AIができないお客様満足度につながる価値を創造できること」。副次効果ではありますが、これが最も大きいと考えます。
事業をやっておられる方にとっては釈迦に説法かもしれませんが、お客様で「損得・ロジックだけで物事の最終意思決定をする」というケースは意外と少なく、本当に大事なのは「安心」「安全」そして「満足度」です。
これを一言でまとめると「信用資産」となるのですが、こういった「あなたの会社だから依頼する」という良いお客様と巡り合うように組織・事業を作りこむこと。これが中長期的に「よい経営」を行うための重要なポイントです。AIの導入と活用により空いた時間は、こういった「信頼資産を生む時間を創出できること」が、DX化・AI活用のかなめとなる考え方であると、弊社は考えます。
▼いただいた感想
半数ほどの方にいただけたご感想を基に、いくつか今後の改善や振り返りもかねて抜粋いたします。
「イメージはつかめた」「実際に動かしているところを見たい」
⇒こういったものは「自転車の乗り方」に例えられることが多いですが、基礎知識は身に着けつつ、やはりより深くもう一歩ご理解いただくためには「実際に皆さんで動かしながら練習していく」というタスクも必要になるのかな、と感じた次
「とりあえずやってみる」という視点にもかぶるところではありますが、例に出した自転車等の場合、皆さんは基本的な構造やロジックは理解しつつ、乗って、ペダルを漕ぐことを特に意識せず無意識にやっているはずです。これはAIに近しい部分で言うと、PCのキーボード入力やスマホの操作などにも言えることですが、AI活用を事業に組み込むというのはこういった「日常に溶け込ませる」作業が重要であると感じる次第です。
「プロンプト」「重要項目説明書」など作業内容を、具体的に知りたい
⇒ご自身でご自身の会社・事業に最適化していく一方で、やはりある程度「決まった答え」があるとやりやすい、という感想が複数ございました。
今回の講義の位置づけとしては、「魚を釣りに行くとき、準備すべきことを伝える」という段階のタスクでしたので、もし機会があれば先の実際に動かしているところなども含め次の「具体的に魚を釣る方法を教える」「自身で最適化して工夫していくやり方に進む」というタスクの講義ができれば、より理解が深まるのではないかと感じた所感です。
「件数が増えたら」「人件費削減効果が知りたい」
⇒具体的に「いつからAIを使い始めるべきか?」。今回の講義では基本となるChatGPTおよびGeminiのビジネス利用のコストと、専門性AIで電話受付を自動化するAIの費用感をお伝えしたのですが、もう一歩踏み込んで具体的な金額・数字を知りたいという方のご感想がありました。
この辺りの細部は「会社によって違うのでまずは社内業務の見えるかと時間管理から」となるのですが、もう少しケーススタディが増えればある程度の業務にかかっている時間を平均して、削減効果やAI導入にかかる時間・費用コストをモデル化してもよいのではないかと感じた次第です。
この辺りはもしやるとしたら、参加者の方に「〇〇の業務、1件当たりどの程度時間がかかっていますか」などをヒアリングしたうえで定量化してみても面白いかもしれません。
▼以上忘備録でした。

残念ながらセミナー・勉強会というのは「参加はしたが、実行に移すのは10%程度の人である」という統計があります。せっかくのお仕事時間に皆さんの「時間」と「お金」を勉強会への参加という形で「投資」された以上、なにか一つでも実行していただき、今後の経営のお役に立てていただければと思います。
講義のおまけ資料にも書かせていただいた通り、現在日本では少子高齢化による人手不足なども相まって、DXやAIなどに対する補助金・助成金もいろいろと用意されています。ぜひそう言ったものを活用し、実行していただければと思います。
最後になりますが、この度貴重なご機会を頂戴しました一般社団法人大阪府宅地建物取引業協会およびご関係者の皆様、ありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。
また弊社のAIの事業活用に関する公式LineURLも貼っておきますので、もし何かご相談がある方や、今後もAIについての知見を深めたい方はご登録いただき、ぜひご活用いただけると幸いです。あらためてこの度はありがとうございました。
株式会社BFPホールディングス
代表取締役 土居 亮規
▼BFPホールディングス AIについての公式Lineグループ
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▼一般社団法人大阪府宅地建物取引業協会 様 GLセミナー開催レポート
https://note.com/osaka_takucchi/n/nec1fb8459570