【不動産×事業】シェアハウス開業と、猫シェアハウス勉強会開催のお知らせ

▼所感
このたび、ものぐさ大家さんが主催する「ゆる呑み不動産勉強会」と弊社が運営する「BFPゆる起業・投資学習交流会」共催で「シェアハウス勉強会」を開催いたしました。当日は不動産投資に関心を持つ方々を中心に多数の参加者にお集まりいただき、シェアハウス投資の実例や運営に関するポイントについて、現場の経験をもとにした具体的なお話が展開されました。
開催背景として、金利高・物件高により通常の「買って貸すだけ」の賃貸業の利幅は年々、減少しております。
そんな中でシェアハウスは、従来の賃貸経営と比較して利回りが高い(15~15%前後)一方で運営・管理・集客などに独特の難しさがあります。本勉強会では、成功と失敗の両面から得られた知見を共有し、これから取り組む方にとって実務に直結する学びを提供する場となりました。
また所感として逆風が続く民泊事業などの代替となりえる「不動産関連事業」の選択肢の一つとしてなりえる可能性もあると感じた次第です。
▼イベント内容
運営コストと収益構造
まず取り上げられたのは、シェアハウスの運営コストと収益の考え方です。
事業収入は一見高く見えても、そこから代行会社への手数料や清掃費用、光熱費などが差し引かれるため、実際に手元に残る金額は慎重に試算する必要があります。
講義の中では「たとえば家賃収入が50万円なら、そのうち5〜10万円程度を代行会社に支払うイメージ」といった具体例も紹介されました。
また、光熱費やインターネット代といった共益費は運営側が一括で支払うケースが多いため、契約の仕組みを工夫しないと収支に大きな影響を与えることが強調されましたが一方で運営代行に依頼する場合、入居付けなどの広告宣伝費が込み込みということで、そのあたりは賃貸業との大きな違いを感じた次第です。
それ以外の部分ですと例えばコンセプトシェアハウスの一例として事例をご紹介していただいた猫シェアハウスは「猫がいるからしょうがないよね!」ということで、一般賃貸ほど神経質にリフォームをする必要がないなど、コンセプトによっては独自のメリットがある、という点が目からうろこでもありました(まぁ、管理会社にぼったくられてしまっているだけの大家さんも多いですが・・・)
運営上の工夫とトラブル対策
次に焦点となったのは、日々の運営における工夫です。シェアハウスをご自身で行われているだけでなく運用代行もおこなっておられるバックパッカー大家さんをトップバッター講師として様々なお話をいただきました。
入居者募集では、ペルソナを明確に設定することの重要性が強調されました。誰に住んでほしいかを具体化することで、入居後のトラブルを未然に防ぎやすくなります。
また、入居前には丁寧な面談を行い、生活リズムや価値観を確認することが推奨されました。シェアハウスは共同生活である以上、相性が悪ければ日常的なトラブルにつながるためです。この辺りは賃貸業よりも密な対応が求められ、ホストとのやり取りを重視する民泊に近しいところがあると感じました。講師のお二方とも具体的に面談や案内などを行っているとのことで、そのあたりの知見が重要かなと考えました。
一方で、実際に起きやすい課題としては「衛生観念の違い」「騒音問題」「虫トラブル」などが挙げられ、講師自身の経験から具体的な対応策も共有されました。公式LINEを活用して退去希望を早期にキャッチする工夫や、定期的にイベントを開催して入居者同士の関係性を良好に保つ工夫など、実務に根ざした知恵が次々と披露されました。このあたりは「不動産投資」というよりまさに「事業」といった感じですね。
講義終了後の、運営も合わせたフリートークでは「ぶっちゃけ外国人入居者の場合、国籍同士で揉め事とかある?」などきわどい質問もさせていただきましたが、快くお答えいただきました笑
猫シェアハウスの事例
本勉強会では特にユニークな事例として「猫シェアハウス」が紹介されました。猫と暮らしたい人を対象にしたコンセプト型のシェアハウスで、入居者自身が猫の世話を担当し、グループアプリを活用して猫の健康管理や餌やりの分担を行っているとのことです。「持続可能な保護猫活動を」という理念を基に活動しておられる講師のにゃ~ごさんは東京で猫シェアハウスを運営しておられ、なかなかコンセプトが秀逸でした。
猫を中心としたコミュニティが形成される一方で、「猫を心配しすぎる人」「猫を独占してしまう人」「猫がなつかないことによるトラブル」など、猫特有の課題がある点も率直に語られました。
さらに、動物取扱業に該当する可能性があるため、自治体ごとの解釈を確認する必要があるといった法的な注意点も取り上げられました。例えば「動物取扱業」といった規制は、こういった物件を運営したことがない方はあまり聞かれた方はいらっしゃらないのではないでしょうか。
それ以外にも、ペット可物件を選ぶことや、保護猫団体との連携を行うことなど、リスクを抑えながら運営する工夫が紹介され、参加者にとって新鮮な学びとなりました。
コンセプトシェアハウスの広がり
シェアハウス市場では、近年「コンセプト型」の取り組みが増加している点も取り上げられました。
バイカーズシェアハウス、サウナ好きが集まるシェアハウス、動画編集者のための学び場を兼ねたシェアハウス、ゲーミングシェアハウスなど、趣味やライフスタイルに合わせた多様なコンセプトが登場しています。弊社BFPホールディングスも、自社の財務顧問や起業家・スタートアップへの投資先開拓として起業家が集まる「起業家シェアハウス」というものに関与しています(運営はさすがに自社でやってません)。
これらは単なる住まいの提供にとどまらず、コミュニティ形成や学びの場の提供といった役割も果たしており、不動産賃貸業の「差別化の切り口」として非常に参考になる講義内容でした。不動産=建物と立地という「ハード」で勝負するのではなく、場の提供やサービス・コンセプトといった「ソフト」の余地を不動産と組み合わせられるという点が、良いメリットでもあり面倒なデメリットでもあるといえます。

▼まとめ
今回のシェアハウス勉強会では、数字に基づく収支シミュレーションから、日常的な運営工夫、そして猫シェアハウスやコンセプト型の最新事例まで、シェアハウスの基礎知識から応用まで幅広く取り上げられました。
シェアハウスは高利回りを狙える一方で、通常の賃貸以上に「運営力」と「コンセプト設計」が問われます。参加者にとっては、成功するためのリアルなイメージを持ち帰ることができる貴重な機会となったと思われます。
▼参加された皆様の声
今回の勉強会にご参加いただきました方へ向けたアンケートの結果では、「大変満足した」が90%以上と、非常に高い満足度をいただきました。
特に役立ったと感じた点
参加者からは以下のような声が寄せられました。
・具体的な費用感や収支構造
「リアルな収支を見せていただきイメージが湧いた」「経費率の内訳や利益率の計算方法が分かってよかった」といった声が多く、実際の数字が参考になったとの意見が目立ちました。
・ターゲット設定や運営の実務
「シェアハウスのターゲット選定や入居者との関係性が理解できた」「退去後のリフォーム費用が抑えられる点が印象的だった」と、運営上の工夫に関心が集まりました。
・講師陣のリアルな体験談
複数の講師から、多角的にシェアハウスの実務を学べた点を評価する声が多くありました。「バックパッカー大家さんのメリット・デメリットの説明が特に分かりやすかった」という感想も挙がりました。
・コンセプト型シェアハウスへの気づき
「地方で運営するならコンセプトが重要」「保護猫シェアハウスに高所得層の女性が多く住んでいることを知り、コンセプトの力を実感した」など、事例から得られた学びが印象に残ったとの声もありました。
・立地やコミュニティの重要性
「賃貸でもシェアハウスでも民泊でも、結局は立地が最重要だと分かった」「案外自分でもできそうだと思えた」という声も寄せられました。
また、「退去者が戻ってくるケースがある」「猫は環境に、犬は人につながるため、犬はシェアハウスに向かない」といったユニークな知見も共有されました。
総評
アンケート全体からは、「リアルな数字と具体的な事例が非常に参考になった」という共通点が見られました。さらに、参加者それぞれが今後の投資や事業展開に向けて、自分ごととして考えるきっかけを得ていただけたようです。
学んだことの10%でも20%でも行動に落とし込み、より良い不動産賃貸業を行うヒントときっかけにしていただけると幸いです。また少し宣伝にはなりますが、具体的に何をやるべきか分からない、資産形成をするコーチングをしてほしい、という方は(さすがにお仕事になりますが・・・)まずは雑談ベースでお気軽にご相談いただけると幸いです。
以上、開催所感と皆様の声のご紹介でした。
▼講師および共催いただいた皆様
・タカシ@バックパッカー大家 様
・にゃ〜ご 様
・共催:ゆる呑み不動産勉強会
ものぐさ大家 様
(Xアカウント:@monogusa3style)
・弊社運営:BFPゆる起業・投資学習交流会について
(リンク:https://bfpholdings.co.jp/2025/07/04/yurukigyou/)
2025年9月6日開催
株式会社BFPホールディングス
代表取締役 土居 亮規