いきなり現れた暴落リスク

みなさんこんにちは！

「金融商品を売らない投資と財務の専門家」、BFPホールディングスです。

 

本日は、日本では『野村ホールディングスの、米国での2200憶円損失』でにわかに脚光を浴びた

 

「アルケゴス」と、それに関連したマーケット暴落リスク等

について、簡単に解説します。

アルケゴスって？

アルケゴスというのは法人名で

「自称」ファミリーオフィス企業です。

 

ファミリーオフィスというのはここ10年、

諸外国でブームになっている形態で、

いわば「プライベートバンクの上位種のようなもの」とお考え下さい。

 

超富裕層が

『自分の一族のためにオフィス企業を作り、資産や法務なども含む、包括的な一族の保全を目的とした企業』

というのがそれです。

 

なんで「自称」ってつけたかといいますと

今回の騒動を引き起こした取引です。

 

まともな金融マンならだれもが感じると思いますが、

「間違ってもファミリーオフィスを称するような企業が行っていい取引ではありません」。

 

これが、「自称」とつけさせていただいた理由です。

「では何なのか？」というと、不祥事でおなじみヘッジファンドが、ファミリーオフィスの殻をかぶってるだけです笑笑

経緯はただのロスカット

さて、本題ですが。

何で今回のようなことが起こったかというと、

めちゃくちゃシンプルで

 

ただのロスカットです。

 

金融派生商品（デリバティブ）にCFDというものがあります。

いわばこれは株のFX版で、

日本国内の個人ならレバレッジ10倍で

個別銘柄に投資できる＋配当も受け取れる、

 

そして大量保有しても、

大量保有報告書を提出する必要がない、

などのメリットが存在します。

 

一方で、

投資はリスク＝リターンなので、

値下がりが生じればそれだけ損も出ますし、

手数料（スプレッド含む）も割高です。

 

今回、「アルケゴス」が保有していたCFDのポジションが

値下がりにより追証、

 

つまり

「10倍のラインを超えたぞ！追加で現金入れろ！」

という事態が発生した、というのが発端です。

 

ここで現金をアルケゴスが用意できていれば話は終わりだったのですが、

用意できませんでした。

ファミリーオフィスのくせにどんだけオールインしてるんだ。

 

ですが、ここで。

アルケゴスには現金はありませんでしたが

株式の現物がありました。

 

しかも、CFD取引をしている証券会社・投資銀行の内部に。

 

となると、証券会社・投資銀行としては

• 追証が払われない


• だが、有価証券はある


• なら、その有価証券を決済して追証に充当しよう！

と、こうなったわけです。

これが今回の発端です。

株価は短期目線では「需要と供給」

ところで、この追証の金額及び株式現物ですが。

投資・運用の業界から見ても

そこそこの量、数百億ドル～単位でした。

 

株価というのは短期的には単純に、

買ってる人が多いから上がる、

売ってる人が多いから下がる、

という需要と供給で決まります。

 

ではここで問題です。

 

A証券会社が、大量に現物株を売却します。

となると、相場は下がるわけですが、

B証券会社・C証券会社内の口座内にある株式

（損失を補填するための原資資産）の価値はどうなるでしょう？

 

・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

はい。

 

「早く売らなければ、自分たちの分が回収できない！」

と慌てることになりますね。

 

もしこの動きが、

証券会社・投資銀行だけでなく、

個人投資家にまで波及して爆発すればバブル崩壊です。

 

これが、今回の騒動の簡易解説です。

 

実務上は、上記のようなことが起こらないように

証券会社・投資銀行の間で紳士協定（ここ、笑うところです）を結んだり

 

ブロック取引と呼ばれる

「大口売却を行う際、相対で行い市場に影響を及ぼさない手法」

を使ったりしたのですが

 

まぁ焼け石に水というか裏切り者が出て

各社に損失が発生しているらしいですね。

 

今後どうなるかは注視していきますが・・・

ここ数日のアメリカ相場を見ていると

今のところはまだ、個人投資家には波及していないのかなーと思います。

 

とはいえ、一寸先は闇ともいいますので

リスクを取りたくない方は現金を抱えておくことをお勧めします。

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